「京都の生協」No.61 2007年1月発行 この号の目次・表紙

生協法―全面的な見直し検証がすすんでいます  
〜社会の変化や生協の社会的役割に見合った法改正へ〜

 厚生労働省は、2006年7月、「生協制度見直し検討会」を設置して、生協制度の総合的な見直し検討を開始しました。検討の成案がえられれば、2007年の次期通常国会に生協法改正案が提出される見通しです。

  生協法(消費生活協同組合法。厚生労働省所管)は、1948年の制定以降、抜本的改正がおこなわれてきませんでした。このため、法と現状とのあいだに大きなズレが生じており、60年にわたる社会の変化や生協の社会的役割の増大に見合った法改正にむけて、急ピッチで作業がすすめられています。生協法の見直しがもとめられるようになってきた背景として、以下があげられます。

戦後すぐのころの生協。町内会生協(左)と工場内生協売店(右)


共済事業関連制度の整備

  ここ数年、共済事業にかかわる法制度の整備がすすんできています。農業協同組合、中小企業等協同組合、水産業協同組合などの分野で、共済関連規定の改正がすすんでいます。生協においても、共済事業の規模が大きくなってきており、今日の事業規模にふさわしい契約者保護のあり方について、法的にも明記し、経営実態の開示をつよめて透明性を高め、社会的責任をより明確にすることが必要になっています。


組織・運営(ガバナンス)制度の見直しの必要性

  現行法は、法制定当時の町内会単位のような規模の生協を想定した内容になっています(上記写真を参照)。しかし、今日、組合員数で数十万人、事業高で数百億円をこえる生協がいくつも存在するようになってきました。生協として組合員が主体となった運営を確保するうえで、改善すべき点が多くなっています。


県域規制や員外利用規制の見直しも

  日本生協連では、2005年に総合的な「生協法改正要求案」をとりまとめましたが、共済事業関連規定やガバナンス関連規定の整備とともに、県域規制や員外利用規制の見直しを最重要の改正要求事項としてかかげています。福祉事業や社会的貢献活動の法律上の位置付けの明確化などもかかげています。これらの改正要求事項についても、厚生労働省の検討会の場で取り上げられ、検討がすすめられています。


総合員の相互扶助組織である生協。組合員の意思を反映した総代会

「生協制度の見直しについて(案)」案がまとまり、パブリック・コメントへ

 
2006年11月22日、検討会で「生協制度の見直しについて(案)」案がまとめられました。パブリック・コメントをうけて、結論が取りまとめられ、次期通常国会に生協法改正案が提出される見通しです。

  この機会に、時代の変化をふまえ、生協によせられている社会の信頼と期待にこたえ、社会的責任を十二分にはたしうる生協制度の構築にむけ、生協法の全面的な見直しがなされるよう、期待がよせられています。



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京都府生活協同組合連合会連合会