「京都の生協」No.61 2007年1月発行 この号の目次・表紙

探訪

 重要文化財 京都府庁 旧本館を訪ねて
府民に開かれた府庁のシンボルとして公開中


▲旧本館正面

▲旧知事室。知事の執務机に往時がしのばれます

▲和歌山県の中学生が見学に訪れていました

▲中央階段

▲「京てらす」はくつろぎの空間でもあります

 京都府庁の旧本館は2004年12月に竣工100周年を迎え、道府庁の旧庁舎としては全国で5番目の国の重要文化財に指定されました。これを機に後世にわたって保存していくとともに、府民に開かれた府庁のシンボルとして多くの方に広く公開していくこととなり、春・秋の京都御所の一般公開と同時期に公開していました。「ぜひとも常時公開をしてほしい」との声も多く、これにこたえ、2007年7月2日から毎日公開することとなりました。

 旧本館の外観はルネサンス様式に属し、正面の一段高くなった屋根を中心として左右両翼に対称に張り出した形になっており、西洋近世の大邸館をほうふつさせます。正面の入口を入り広間を抜けると、3連アーチ越しに中央階段があります。階段は京都白川の花こう岩を用い、手すりには草花の装飾を施した大理石がふんだんに使用されています。

 旧知事室は2階の南東角の部屋で、東側の窓から比叡山を望む抜群のロケーションです。1971年までの67年間にわたり、24人の知事が使用しました。大理石の暖炉や重厚な廻り縁や格天井など、ほかの部屋よりいっそう手の込んだ造りとなっています。「正庁」室はおもに儀式や式典に利用され、凝ったシャンデリアや足場を組んでコテで当時の職人が手作業で塗ったしっくいの見事な天井が目にとまります。(※「正庁」室は春と秋のみ公開)

 京都府では、この正庁等を利用した府民との協働事業についてのプランを2008年3月まで公募しています。場所は正庁及び隣接の旧貴賓応接室等で、内容は公益性が高く、施設にふさわしい行催事等の企画。府との協働による利活用実証事業として実施するとしています。たとえば京都の伝統や文化・産業等をアピールする催し、地域力の再生を目指す催しなどです。

 また、府庁第2号館の屋上も見どころのひとつです。「京てらす」と呼ばれているこの屋上緑化は、地球温暖化対策として、ヒートアイランド現象の緩和や都市環境の改善に効果があります。京都府では先導的なモデルとして、平日の9:00〜17:00(11月から2月は16:00まで)に公開しています。

 

京都府出納管理局資産活用プロジェクト
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