「京都の生協」No.76 2012年1月発行 今号の目次

  第42回京都消費者大会
「災害に備えるくらし・地域・社会」をテーマに

 2011年9月10日(土)、コープイン京都で開催され、約90人が参加しました。主催はNPO法人コンシューマーズ京都で、京都府・京都市の後援をうけました。
 第1部「東日本大震災・現地からのレポート」では、岩手県消費者団体連絡協議会・伊藤慶子事務局長、福島県消費者ネットワーク・佐藤一夫事務局長が被災地の状況について報告しました。
 第2部「防災・減災――私たちにできること」では、神戸大学工学部・塩崎賢明教授が「東日本大震災の被害と復興」と題して講演。「平時から地域防災計画を実のあるものにし、復興の備えを含めておくことが不可欠」と強調されました。
 京都生協、大学生協京滋・奈良ブロック、京都府庁生協から被災地支援活動などについてのリレー発言がありました。


東日本大震災をうけて

岩手県消費者団体連絡協議会・
伊藤慶子事務局長

 第2回京都の生協活動を豊かに発展させる協議会(KSK)
 ~「省エネ・節電対策への対応」について意見交換~

 2011年10月11日(火)、せいきょう会館で開催され、役職員・組合員あわせて22人が参加しました。京都府生協連・廣瀬佳代常任理事がコーディネーターをつとめました。電力不足が予想された今夏、会員生協でどのような取組みがおこなわれたのか、今後どのような対策案を検討していけばいいのかなどについて考えあいました。
 京都生協機関組織運営部・中垣延広環境コンプライアンス担当から、1991年に決定した環境政策にもとづいて環境保全活動をすすめてきた成果、店舗などでの省エネ・節電の取組み、組合員の意見などが報告されました。
 京都府庁生協・今西静生専務理事は、府庁の昼休み休憩時間が1時~2時になったことをうけての取組みについて報告。京都大学生協理事会室・井﨑宏子さん、京都医療生協・田中弘専務理事からも、それぞれ報告がありました。
 京都府生協連・坂本茂専務補佐・事務局長(兼務)は「節電とエネルギーに関するアンケート結果報告」(生協総合研究所)について紹介し、コメントしました。
 参加者からは「今夏の節電効果の検証を見きわめないといけない」「ライフスタイルの見直しをしなければならない」「くらしのあり方の見直しを組合員にどのように提起していくのかが課題だと思う」などの意見や提案が出され、交流しました。


京都生協機関組織運営部・
中垣延広環境コンプライアンス担当

 京都府くらしのひろば

 2011年10月22日(土)、宮津市・みやづ歴史の館で開催されました。主催は京都府・宮津与謝消費生活センター、京都府くらしの安心・安全ネットワーク。
 東日本大震災の発生をうけて、安全・安心なくらしについて考えあいました。KBS京都ラジオ・村上祐子編成制作局長が基調講演。NPO法人コンシューマーズ京都・斎藤紀子理事らをパネリストにディスカッションがおこなわれました。京都府生協連はブース出展し、生協の震災対応を紹介しました。


消費者のくらし・行動はどう変わったか

  京都府生協連・小林智子会長理事が野田総理大臣にTPP交渉について緊急要請

 2011年11月8日(火)、京都府生協連・小林智子会長理事は、以下の内容で緊急要請をおこないました。


 TPP交渉についての緊急要請書

 総理は、11月12日から開かれるAPEC首脳会議の前にも、TPP(環太平洋連携協定)交渉への参加についての「政治判断をおこなう」と発言されています。
 現在、44道府県議会がTPP交渉への参加について「反対ないし慎重」の意見書を上げているほか、JA全中が中心となり、農業者団体・漁業者団体・消費者団体などがいっしょに反対の署名活動をすすめています。
 TPP交渉に参加することで、関税および非関税障壁の撤廃がすすめられるならば、日本農業が大きな打撃をこうむるだけでなく、食の安全・医療・保険・労働など、くらしのあらゆる分野でとりかえしのつかない影響がもたらされるのではないかという、強い不安と危惧が国民の中にひろく存在しています。

 このような状況のもとで、以下のことを政府に要請するものです。


 一、TPPにかんする確かな情報を提供していただくこと

 政府がこれまでに入手しえた情報についてはオープンにし、マスコミ・ホームページ等のさまざまな広報手段により、多くの国民に知らせてください。

 一、国民的な議論が必要であり、旺盛な議論の場をつくっていただくこと

 TPPの内容についての情報提供がきわめて不十分ななか、政府内においても、また産業界・諸団体間においてもそれぞれに異なる見通しが語られているように思われます。 確かな情報の提供を前提に、国民的な議論の場をつくってください。

 一、拙速にすすめるのでなく、国民の理解と合意を形成していただくこと

 TPP交渉への参加の是非については、国論を二分する状況となっており、与党内においても意見が大きく分かれています。このような状況のもとで、拙速な政治判断にふみきることは、国民の不安と不信をさらにつのることになります。
 情報開示をすすめ、広範な議論をおこなうなかで、国民の理解と合意を形成するようにしてください。

以上



 集団的消費者被害救済制度学習会

 2011年11月7日(月)、登録会館で、「集団的消費者被害救済制度で大きく変わる消費者の権利」をテーマに学習会が開かれました。


NPO法人京都消費者契約ネットワーク・
長野浩三理事・事務局長

 京都府とNPO法人コンシューマーズ京都の共催によるもので、適格消費者団体・NPO法人京都消費者契約ネットワーク・長野浩三理事・事務局長(弁護士)が、立法化にむけての作業がすすめられている新制度の意義と内容について講演しました。23人が参加しました。
 現在の消費者団体訴訟制度は、適格消費者団体が個々の消費者に代わって差止請求訴訟を提起できる制度になっていますが、損害金等の請求をおこなうことができないため、消費者被害を救済するところまではいたっていません。
 制度の拡充にむけて、検討がすすめられてきました。2012年通常国会に法案として提出する作業が急ピッチですすめられています。


 「消費者のための新訴訟制度」への意見書を送付

 適格消費者団体・NPO法人京都消費者契約ネットワーク(髙嶌英弘理事長)は、2011年11月8日(火)、意見書を内閣府等に送付しました。

 実効性ある集団的消費者被害救済制度の創設を求める意見書(骨子)

1. 必ず2012年通常国会での立法化をするべきである。
2. 対象事案については、この制度の実効性を確保するために適用範囲を狭めるべきではない。
3. 財政的負担につき、この制度の手続き追行主体である適格消費者団体がこの制度を継続的に活用できる内容とすべきである。また、この制度を担う適格消費者団体に対して、財政的、制度的支援措置を設けられるべきである。
4. その他、下記についても制度の実効性確保の観点から実現されるべきである。
(1) 被告適格については、被害救済の実効性を確保する観点から、実質的な事業運営主体である者等を含めるべきである。
(2) 二段階目の手続きへの加入を促すための通知・公告費用の負担は、相手方事業者が負担することとすべきである。
(3) 二段階目の手続きへの加入を促すための通知・公告の際、相手方事業者に対し情報提供命令が認められることはもちろん、相手方事業者が第三者に情報管理等を委託している場合であっても、できる限り多くの対象消費者を当該手続きに加入させ消費者被害の救済を実効あるものとするために、第三者に対する情報提供命令を認めるべきである。
適格消費者団体・NPO法人消費者支援機構関西(榎彰德理事長)は、2011年10月26日(水)、集団的消費者被害救済制度にかんする意見書を内閣府等に送付しました。