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卒業クライシス――学校は出たけれど

2010年11月29日

101129_ujigawazoi.jpg  来春卒業予定の大学生の就職内定率は10月1日時点で57.5%と、「超氷河期」といわれた2003年度の60.2%を下回り、過去最低となった。短大女子は22.5%、高卒者は40.6%と、まさに「超超氷河期」の状況が生まれている。京都府内では、大学・短大卒業予定者の6割以上がまだ就職先が決まっていないと報道されている。このままいくと、進路が決まらぬまま大学・高校を卒業する若者は全国で10万人以上にのぼる可能性があるという。
本来であれば、長い教育の期間を終えて、社会に羽ばたき、みずからの人生を設計・スタートさせて、あらたな家庭を築いていく、もっとも輝かしい時期である。しかし、現実はまことにきびしい。正社員としては就職できず、不安定な就労下で人生をスタートさせなければならない若者は、「ワーキング・プア」となって独身のままであるか、あるいは結婚し子どもができたとしても「貧乏な親」となり、「貧困と格差」を再生産させる――雇用と失業は、まさしく「個人責任」に属する問題ではなく、「社会問題」なのである。「社会問題」化している事柄が多発しているにもかかわらず、「社会問題」として問題を立てない、論じないことが多くなっている。あるのは「責任のがれ」か、または「責任というものを感じない」方がたの存在だろう。<写真:宇治川の紅葉>(2010年11月29日、坂本茂)