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勝手に京都御苑ニュース番外編!

2011年08月04日

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京都御苑はご存じの通り、市民の憩いの場として親しまれています。
 100年を超える木々が生い茂っていることから、さまざまな生き物たちが生息しています。生き物たちにとってはまさに町の真ん中のオアシスです。
 夏真っ盛りのこの時期は、セミの声が暑さを増長させんばかりに聞こえてきますが、
よく見ると木々のいたるところにセミの抜け殻がついています。足元の地面にはセミの幼虫がはいでた小さな穴が無数にあることに気づきます。
 セミたちは、暗くなると土の中からはいでてきて、木に登り、羽化します。
京都御苑では夜になるといたるところで、セミの羽化が見られることでも知られているのです。
 先日、セミの羽化を観察する集まりに家族で参加しました。たくさんの家族連れが見守るなか、いざ「セミの羽化ショー」のはじまり、はじまり。
みんなの視線を浴びながら、幼虫は木の幹を登り、しっかりと体を固定させてから羽化をはじめました。しばらくすると背中が割れ、頭が殻からぬっと出ます。
つづいて武者ぶるいのように、体をぶるっと揺らしたかと思うと上半身が出て・・・
見物客からは思わず歓声と励ましの声があがります。「がんばれ~」と子供たち・・
 次になんとセミは上体を大きくそらしました(まるでイナバウアー)そして逆さまの状態で10分くらいがんばって、最後に下半身を殻から抜き出しました。ハネが薄緑色で透き通っていて、まだ縮れています。おなかや脚は白い。徐々に夜明けまでに乾いて色がついて体が硬くなるのです。本当に神秘的なショーでした。子供たちは、のべ30分くらいの間「早く~」と途中せかす場面もありましたが、根気よくじっと観察していました。
 この時期、毎晩のように見られるので、興味のある方はぜひ行ってみてください。アブラゼミ、クマゼミ、ニイニイゼミ、ヒグラシもいます。暗いので懐中電灯をお忘れなく。
持って帰ってうまく家で羽化させる人もいるそうですよ。
<2011年8月4日 岡本朋子>