再び「偽」?

2013年11月12日

 ホテルの高級ToadLane2009.jpgレストランのメニュー偽装表示問題は同種の外食産業、食品に広がり、とどまることを知らない。毎日のように続く事件責任者の謝罪報道が続くと、世の中に溢れる宣伝は「本当ではないのが当たり前」であり、「だまされるほうが悪いのだ」という常識になりかねない。19世紀のヨーロッパでは庶民のくらしに欠かせない、砂糖、小麦粉、バターなど袋の中に石などを混ぜて量目を増やしたり、小麦粉にでんぷんを混ぜるなどが横行していたそうだ。今日の生活協同組合のモデルとされているロッチデール公正開拓者組合(1844年)はこうした商売に抗し、「入手可能な純良な生活必需品だけに限定して組合員に供給」することや「商品は正確な計量を厳正に行って供給」することを「先駆者たちの業務執行のルール」としていたそうである。たしか、食肉、ケーキ、有名なお土産物の偽装が次々と明らかになった2007年の「今年の漢字」は「偽」であった。
 巷には見栄え良く、耳触りの良い宣伝文句であふれている。この報道をきっかけに、テレビや新聞でながれる「食」・「健」・「美」をうたう派手なCMも聞き流さず、真面目に観察してみる必要がありそうだ。