「京都の生協」No.103 2021年1月発行 今号の目次

  京都府生協連緊急企画第34回・第35回「京都の生協活動を豊かに発展させる協議会」

~組織と事業のイノベーションによる協同組合のあらたな価値の発見・創造の場として~
【テーマ】 「学生のまち」京都を生活協同組合はどうやって支えられるか?

第34回 コロナ禍の中で「学生のまち」京都は今

2020年7月14日(火)、コープ・イン・京都で第34回KSKを開催しました。役職員や、議員、マスコミなど、実出席とオンライン出席、あわせて約100人が参加しました。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で多くの大学では対面授業ができず、学生の通学が規制されている状況の中で、京都の大学生についての現状認識を深め、これからの『学生のまち』京都のありようや、京都府内の生協はその生活をどのように支えられるかを考えあう機会として、緊急に開催しました。

立命館大学共通教育推進機構・山口 洋典 ひろのり 教授より、「Face COVID─19 新型コロナウイルスに向き合う~立命館大学の取組み~」と題して、卒業式や入学式が中止となり、春学期開講に伴う授業形態を見直し、2020年5月以降はWEBを活用した授業を再開したこと、立命館生協による学生生活アンケート結果報告や下宿生支援・パソコン講座等で学生サポートをした事例についての報告がありました。龍谷大学政策学部・深尾 昌峰 まさたか 教授(龍谷大学・学長補佐)からは「コロナ禍における学生支援~龍谷大学の取組み~」と題して、学生生活への影響調査や学生支援方策の展開事例、学生支援募金を設置して食材提供を実施したこと、学生への食支援として大学生協とも連携して栄養面のバランスに配慮しながらすすめたことなどの報告がありました。

京都橘大学4回生・寺田 善照 よしてる さんより、「学生生活の現状と期待・悩みについて」と題して、キャンパスに行けないために先生や友人と会えないこと、特に新入生は友人ができない悩みがあること、秋には新入生歓迎のイベントを企画したいなどの報告がありました。龍谷大学政策学部・ 只友 景士 ただとも けいし 教授がコーディネーターとなり、学生支援の実情についての質疑や、問題意識の共有を深めました。


パネルディスカッション
1回生の報告と進行役の4回生

会場参加者も熱心に聞き入って

行動提起する京都府生協連・中森一朗常任理事
(現・全国大学生協連)

第35回 大学1回生の生活から私たちができること

第34回KSKを受け、2020年10月10日(土)、京都府民総合交流プラザ京都テルサで第35回KSKを開催しました。役職員や、議員、マスコミなど、実出席とオンライン出席、あわせて103人が参加しました。

第2弾の今回は大学1回生が多数参加。彼らがどのような生活を送り、何に悩み、何を頑張っているのか報告を聞き、京都府内の生協、大学、行政がどうサポートできるかの意見交換をしながら内容を深める機会として開催しました。西島秀向会長理事が開会のあいさつをおこない、高取淳専務理事が進行をつとめました。

はじめに京都市・門川大作市長より「京都の学生へのメッセージ」と題してビデオメッセージをいただきました。つぎに「後期開講後のリアルな実態やアフターコロナへ向けて」と題して新入生[京都大学・石田早侑梨さん、立命館大学・原いこいさん、龍谷大学・三浦 蒼玄 あおと さん]によるパネルディスカッションがありました。

学生から、オンライン授業に対する戸惑い、新入生の不安、コミュニケーション不足が加速していることなど、現状と悩みについて、発言がありました。

つづいて「学生自身による、コロナ禍での新入生支援の取組み」と題し、立命館大学・生協学生委員会の坂元亮太さんより報告があり、「コロナ禍でも!大学の枠を超え京都で学ぶ『京都ファーストイヤープログラム』(略称:FYP※)」と題し、FYP事務局及び受講生より報告がありました。

その後、「私たちは『学生のまち』京都をどうやって支えられるか」をテーマに、京都府生協連・中森一朗常任理事・大学生協事業連合常務理事(現・全国大学生協連)より行動提起があり、つづいて京都府が作成した「新しい生活様式の実践に向けた学生向け啓発動画」を視聴しました。

前回にひきつづき、龍谷大学政策学部・只友景士教授がコーディネーターとなり、これまでの質疑や、問題意識の共有を深めました。

参加者からは「さまざまな団体の方がたが、私たち新入生のために試行錯誤して活動を実施してくださっていることを知り、周りに感謝しなければならないという想いが深まりました」「少しでも新しい様式の中で心地よく生きていけるように、課題に取り組みたいと改めて痛感しました」「参加者の広がりがあり、大学生の生の意見が教員の方だけではなく、行政関係者など、さまざまな方に届く良い企画だった。質問の切り口も興味深く、理解を広げることができた」「『大学生協に求めることは何か』の質問で学生さんの一番切実な願いを聞くことが出来、改善すべき点として強く認識した」など、多くの感想が寄せられました。

※京都ファーストイヤープログラム(略称:FYP)大学生協事業連合が開催している、1回生からはじめる体験型学び講座