「京都の生協」No.50 2004年1月発行 この号の目次・表紙

生産者と消費者はパートナー
〜学生がコープ牛乳のふるさと 鳥取大山でインターンシップ〜

学びの機会をつくろう

 2年前、コープ牛乳産直交流協会主催の「産直フォーラム」に参加した学生が、大山乳業の生産者のお宅にファームステイをさせてもらいました。そこで「もっと生産者のことを知り交流したい」という思いが膨らみ、インターンシップというかたちでの学びの機会をつくることを考えました。
 学生・生協職員・大山乳業職員・酪農家のみなさんで準備をすすめ、2002年初めて実施。当初は一部の酪農家の方から「将来酪農をするわけでもないのに」という声も聞かれ、想いが食い違った部分を残してのスタートでした。
 しかし、結果的には学生にとってたいへん大きな学びの機会となり、また受け入れた酪農家の方たちにも学生のがんばりが通じて、2003年度へのつながりをつくることができました。

2003年は18名が参加
 2002年の参加者が「学んだことを伝えたい」と、今年の酪農研修インターンシップ実行委員会を立ち上げました。各大学生協に募集ポスターを掲示し、受付をお願いしました。生協のない京都産業大学にも大学生協事業連合を通じて案内を送り、参加者を募りました。その結果、京都産業大学を含む7大学から18名(男子2・女子16)が応募し、今年もたくさんの体験・経験を積みました。
 その後の感想交流会で出されたレポート(抜粋)を紹介します。
○お金があれば何でも手に入る時代だが、それらはすべて誰かの手によって生産されたもの。消費者はそのことをしっかり胸にとどめることが大切と思う。
○大山乳業のこだわりは「安全」。
 私たちがその努力やこだわりに応えていくことが一番大切なこと。
○おいしい牛乳を届けるためにどの作業にも手を抜かず、牛に愛情を注ぐみなさんに本当に熱いものを感じた。自分もそんなやりがいのある職業につければ。
○参加して本当によかった。単に食のことを意識するだけでなく、仕事へのこだわりや人生のことも考える場になった。

生産者と消費者はパートナー

 今回のインターンシップや産直フォーラム、また生協職員向けの研修企画などを通じ、「生産者と消費者がお互いの顔を見る」関係づくりの大切さに気づいた人が増えてきました。そうしたとりくみがすすみ、生産者と消費者はお互いにパートナーという意識を持った学生が社会人となったとき、産消直結の想いが社会全体に広がればと思います。

 私たち自身、農家の仕事に触れるのは初めてで、何もかもが新鮮で、驚きで、感動でした。搾乳や糞掃除などの作業、牛の出産の立会い、仔牛の哺乳など、本当にたくさんのことを経験しました。今後私たちと同じようにさまざまなことを体験し、考えた学生や生協職員が、それぞれの大学で産直活動を広げていってほしいと思います。

(文責:京滋・奈良地域センター学生事務局  加藤祐子・大矢悠貴)


〔 ひとつまえにもどる 〕


京都府生活協同組合連合会連合会