「京都の生協」No.56 2005年5月発行 この号の目次・表紙

京都市消費生活条例 全会一致で採択

04年9月に開かれた公聴会・野村秀和会長
 3月18日、京都市会に提出されていた京都市消費者保護条例にかんする改定案が全会一致で採択され、「京都市消費生活条例」としてあらたにスタートすることになりました。施行は、10月1日から。
 京都市消費者保護審議会(会長:野村秀和・京都大学名誉教授)で2003年12月より議論が開始されて以降、のべ11回にわたる検討が重ねられ、2004年12月に最終答申として市長に提出されました。この答申にもとづき、京都市会に条例案が提出されていたものです。
 京都市消費者保護審議会には、小林智子・京都生協理事長が委員として参加し、消費者の視点から積極的な提案をおこないました。

「消費者権」というあらたな京都市の独自のキーワードを軸に
 新条例は、第1条で「消費者と事業者との間の情報の質及び量並びに交渉力の格差、社会経済情勢の変化等にかんがみ、消費生活施策の基本理念を定めるとともに、本市及び事業者の責務並びに事業者団体、消費者団体の役割その他消費施策に関し必要な事項を定めることにより、第3条第1項に規定する消費者権の実現を図り、もって消費者の消費生活における自立並びに消費生活の安心、安全、安定及び向上に寄与することを目的とする」とのべています。消費者の権利について、「消費権者」というあたらしいキーワードでくくり、具体的に7項目を規定していることが特徴のひとつです。

「始末の文化」「食の安全」などを基本理念に
 第3条では、京都市が食文化、始末の文化など、京都市固有の生活文化が根付いていることを指摘し、消費生活施策はこうした生活文化を尊重して推進されなければならないことをうたっています。そして食の安全を確保し環境に配慮すること、高度情報通信社会の進展に的確に対応することを、「基本理念」のなかに盛り込んでいます。

消費者権の侵害にたいする緊急措置
 消費者権利の侵害の発生または拡大を防止するため緊急の必要があると認めるときは、市長は「商品等の名称、事業者の氏名または名称その他必要な事項を公表することができる」という条項が盛り込まれたことも特徴のひとつです。悪質な事業者にたいしては、さらに勧告をおこなった時点で、当該事業者が所属する事業者団体及び契約関係にある事業者(クレジット会社など)等に、勧告した旨とその内容を通知できる規定を新たに設け、より効果的な対応がはかられることになりました。消費生活基本計画の策定
 条例は「消費生活施策を総合的かつ計画的に実施する」ため、消費生活基本計画を策定することとしており、こんご、消費者被害にたいする実質的な対応が「PLAN(計画)」→「DO(実施)」→「CHECK(進捗点検)」→「ACTION(是正措置)」のマネジメント・サイクルですすめられることが期待されます。

消費者への情報提供・教育の推進
 消費者にたいする支援措置として、「市、事業者、事業者団体及び消費者団体は、食の安全及び環境に配慮した商品等に関する情報その他消費生活を営む上で有益であると認められる情報の入手につとめなければならない」とされ、その迅速性と適切性をもとめています。
 消費者教育の推進については、「本市は、消費者の年齢その他の特性等に配慮」するとともに、「家庭、地域、職場、学校その他の場において、消費者が消費生活について学習する機会の拡大が図られるよう、必要な施策を講じなければならない」としています。

行政・事業者・消費者相互の協力
 条例は「本市、事業者、事業者団体、消費者及び消費者団体は、この条例の目的を達成するため、相互に、その果たす役割を理解し、協力する」と定め、京都市は「相互理解が増進され、協力が推進されるよう、情報の提供、交流の促進その他必要な措置を積極的に講ずる」としていることも特徴のひとつです。

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 こんご、京都市における消費者施策が新条例を基礎に、どのようなかたちで具体的に運用されていくか、注目されます。新条例の説明会・意見交換会などの開催が必要です。

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京都府生活協同組合連合会連合会