「京都の生協」No.56 2005年5月発行 この号の目次・表紙

京都府 食の安心・安全の確保にむけて条例策定へ
〜山田知事が議会答弁〜


 3月18日、山田啓二京都府知事は予算特別委員会で「府民の総意として食の安心・安全に取り組むことを宣言し、総合的な施策推進を条例に盛り込みたい」とのべ、京都府における食品の安全性確保にむけての条例づくりに着手したことをあきらかにしました。
 昨年秋に実施された「きょうと食の安心・安全アクションプラン中間案」への意見提出のなかでも、「京都府として独自の条例をつくって対応してほしい」との要望がいちばん多かったこともあり、食の安全をもとめる府民の願いにすばやくこたえたものと評価できます。
 昨年、京都府丹波町での高病原性鳥インフルエンザの発生や野菜・牛肉・魚等についての不適正な表示事件があいついだこと、またBSEにかんする検査基準の見直しがすすめられようとしていることなど、食品安全行政への不信と消費者の不安がひろく横たわっているなかで、京都府が条例づくりをスタートしたことは、時宜をえたものです。
 条例の制定にあたっては、「京都の地域特性をふまえながら、食品の生産・流通・消費にかかわるすべての関係者が一歩一歩前進していくための具体的な『仕組み』」として結実することが期待されます。
 食品の安全にかんする条例を制定している都道府県は、北海道・秋田・宮城・群馬・埼玉・東京・岐阜・大分・熊本の9県で、千葉・神奈川・長野・新潟でも検討がはじまっています。

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 京都府生協連・小峰専務理事は、京都市にたいし、以下の意見を提出しました。京都府にたいしても、意見を提出しています。

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京都市食品衛生監視指導計画案についての意見(抄)
[1]「I 食品衛生重点監視指導対策」について

 「I 食品衛生重点監視指導対策」の前段に、以下を盛り込んでください。「平成17年度より京都市における『食の安全・安心にかかわる基本方針』『食の安全・安心アクション計画』『京都市食品安全基本条例』の策定作業をすすめる」
[2]「II 収去検査(抜き取り検査)」について
 「監視指導計画案」では「平成17年度収去検査計画(別添)を定め、同計画に基づき、収去検査を実施します」とのべられています。
 食品等の収去検査実施計画を公表してください。
[3]「I 食品衛生重点監視指導対策〜 VI 食中毒等健康危害発生対策」をつうじて
 「平成16年度計画」の直近の実施状況がうかがえないため、どのような問題発生状況か分析・評価をおこない、「平成17年計画案」の重点課題を設定しているのか、意見が出しにくい状況となっています。本市における、直近の「法違反状況及び食品衛生上の問題発生状況」をあきらかにしてください。
[4]「VII リスクコミュニケーションの推進」について
 パブリックコメントにさいしては、終了後、住民の意見の特徴について整理をおこないながら、これにたいする行政サイドの「考え方」をあきらかにし、公表することが一般におこなわれています。本市におかれても同様の作業を実施し、公表してください。
[5]その他
 表示にかかわる監視指導の強化について、あらたに1項をおこしてください。

京都府生協連としての要望意見 条例に盛り込んでいただきたい事項

(1)行政における、「生産から消費まで」の一貫した監視指導体制の確立
  1. 食品安全基本計画の策定
  2. 食品の安全性にかんする情報収集および調査
  3. 措置勧告
  4. 総合推進部局の新設
(2)消費者視点にもとづく府民参加
  1. 消費者代表が参加する「きょうと食の安心・安全審議会」の設置
  2. 情報交換・相互意思疎通の促進措置〜多彩なリスクコミュニケーション
  3. 食品安全施策申出制度
  4. 消費者教育・学習の推進措置
(3)事業者の自主的な取組みを促進する仕組み
  1. ブランド認証制度
  2. 食品安全推進業者登録制度
  3. 自主回収制度
  4. 事業者による情報公開の促進措置

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