「京都の生協」No.56 2005年5月発行 | ![]() |
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立命館生活協同組合 組合員4万人のキャンパスライフをサポート |
![]() ▲篠田武司理事長 |
小林智子会長理事が会員生協の理事長を訪問。生協トップとしての抱負や関心、組合員の活動などについておはなしをうかがいます。 今回は、立命館生協の篠田武司理事長をたずねました。 |
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学生たちのアイデアや力を生かした運営を |
小林: | さっそくですが、先生はいつ理事長におなりですか? |
篠田: | 去年の春です。 |
小林: | ご就任のきっかけは? |
篠田: | 前任者(中谷義和先生)から、なりなさい(笑)といわれまして。わたしは生協のヘビーユーザーですが、まさか理事長をやるとは思いもしませんでした。 |
小林: | いま、生協についてどんな関心をおもちですか? |
篠田: | 自分は経済学者なので、やはり現実問題として経営問題に目がいきます。現在、立命館生協の組合員は、学生・教職員あわせて約4万人います。学生たちはいろいろなアイデアや能力をもっています。それを生協の運営に生かせれば、もっと経営はよくなると思います。生協委員が自分たちだけでやらないで、多くの学生をまきこんでコーディネーターの役目をつよめていけば、全体が活性化すると思います。 |
小林: | 京都生協でも同じです。28行政区に10人前後の委員さんがいて、自分たちだけでやるのではなく、地域の組合員さんが参加しやすいようにコーディネートするスタイルで10年やって、ようやく定着してきました。とくに若い人たちは、自分の関心あるところから入ってくるので、いかにその関心で接点をつくるかが大事になっています。そして、その後のうまく育てる力が委員さんたちには問われるんだと思います。 |
篠田: | おいしいパンが食べたいという学生たちが、自分たちで食べ歩き、自分たちで提案して、いま生協店舗で焼きたてのパンを扱うようになっています。(写真参照) |
小林: | フットワークの軽いことが学生組合員の特徴ですね。 |
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▲焼きたてパンのコーナー | ▲バナナは一本で売っています |
組織運営で工夫していること |
小林: | 生協職員の研修はどんなことを? | ![]() 生協衣笠センター入口。雰囲気がなんともカワイイ! |
篠田: | 去年は、外部の協力もえて、ワークショップ形式の研修をおこないました。自分たちで問題を発見し、それをどう変えるか、そのためにどうするかをみんなで考え、日常の仕事でやってみる。そして再度集まって話しあう。日常仕事に追われていると、なかなか問い直せないですから。成果が出ていますよ。 | |
小林: | ほかに運営上工夫していることは? | |
篠田: | 大学の施設が離れていますから、生協の事業所も離れています。そのため、これまで理事会はテレビ会議でした。でも最近は、やりくりして、みんなで会議室に集まって会議をしています。店長にも参加してもらっています。理事と現場の意思疎通をはかるためですが、やはり、“フェイス ツー フェイス”はいいです。 |
生協の役割は、学生の健康・生活支援、教育支援も |
小林: | ところで、二条に新キャンパスができますね。 |
篠田: | はい。新キャンパスの院生・教職員は最大で1000人程度です。採算が取れるかという問題はありますが、ぜひ生協として福利厚生面をサポートしたいと考えています。 |
小林: | 採算の問題があるとしても、大学の福利厚生面をサポートするのは生協の役割ですね。 |
篠田: | 生協は、福利厚生面だけでなく、独特な役割をもっています。学生にたいして、健康や生活支援のほか、インターンシップなど教育面の支援もしています。たとえば、びわこ・くさつキャンパスでは、生協が取引している農家で、学生20人あまりが、田植えから稲刈りまで農作業体験のインターンシップをして、単位もとれるという取り組みを開始します。 |
小林: | それは生協だからできることですね。そのほかにもコープ牛乳の生産者の家でのインターンシップもありますね。 |
「たべるたいせつ」の取り組みをいっしょにすすめましょう |
小林: | 昨年から京都府生協連の会長をお引き受けして、もっと生協どうし、連携できないかと思うようになりました。これまでも医療生協と地域生協が「健康相談会」を取り組むということはありました。 |
篠田: | じつは、最近おもしろい変化がおきています。数年前からアメリカンフットボール部むけの食事メニューを生協で提供するようになり、食堂で1回一人分2000カロリーの特別メニューをつくっています。しっかり食べることで試合にもどんどん勝っていきました。するとほかの体育会系クラブもしっかり食べることがたいせつだとわかってきたのです。それを一般学生にも広げていこうと。 |
小林: | 「たべるたいせつ」が学生のあいだでも大切なテーマになっているんですね。ところで、学生は全国から来ているんですね。その学生たちに「京のおばんざい」を食べてもらうというのはいかがでしょう? |
篠田: | それはいいですね。京都のふつうの人たちが食べているふつうの料理を味わうことなく、京都を離れる学生もいっぱいいると思います。 |
小林: | 立命生協の食堂で、京のおばんざい試食会などを企画できたらいいですね。学生も喜んでくれると思います。 |
篠田: | 実現できたらいいですね。 |
衣笠、BKC(びわこ・くさつキャンパス)につづき、大分県別府市の立命館アジア太平洋大学、深草と宇治の付属中高等学校もふくめて生協活動の輪が大きく広がっている。学生の成長と学園の発展に貢献する生協づくりをめざしている。 |
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