「京都の生協」No.58 2006年1月発行 この号の目次・表紙

京都府食の安心・安全推進条例制定へ  
〜食品安全の社会システム確立へ、大きな前進〜

 京都府は、2005年12月1日、「京都府食の安心・安全推進条例」の制定にかんする議案を府議会へ提出しました。
 条例制定の背景として、2004年2月に丹波町で高病原性鳥インフルエンザが発生したこと、府内で卵・野菜・牛肉・魚等についての不適正な表示事件があいついだこと、またBSEにかんする検査基準の見直しなど、食品安全行政への不信と消費者の不安がひろく横たわっていることが指摘されます。
 こうした状況のもとで、京都府が食品の安全性と府民の安心感の確保にかんする条例を制定することは、時宜をえたものといえます。
 2004年11月に実施された「きょうと食の安心・安全アクションプラン中間案」への意見提出のなかでも、「食品の安全性確保にかんする条例を制定してほしい」という要望意見が多数にのぼっていました。

条例のポイント
府民の健康保護が最も重要
 「前文」では、条例制定の目的として「府、食品関連事業者及び府民がその責務又は役割を果たすことにより、食の安心・安全の確保に関する施策及び取組を総合的かつ計画的に推進し、もって現在及び将来の府民の健康の保護に寄与するため」としています。
行動計画の策定と年次報告
 第5条では「知事は、毎年、食の安心・安全行動計画に基づく食の安心・安全の確保に関する施策の実施状況を取りまとめるとともに、当該実施状況について[食の安心・安全]審議会の評価を得た上で、当該実施状況及び評価の内容を公表する」としています。
調査・報告徴収・勧告
 第19条では「知事は……食品等に含まれることにより健康に悪影響を及ぼすおそれがある要因について、必要な調査を行うことができる」と定めています。
  必要な報告をもとめることや立入検査(20条)、および措置勧告(21条)、罰則(27〜29条)を定めていることも注目されます。
府民参画と審議会
 大きな柱のひとつとなっているのが「府民参画の推進」で、府の施策にたいする府民意見の反映、提案、危害情報の申し出が定められています(22〜24条)。
 そのほか、調査審議・評価などをおこなう「食の安心・安全審議会」の設置も定められています。(25条)

 京都府生協連は、府議会各派へ「京都府食の安心・安全推進条例」の制定にかんする懇談・意見交換会の開催を要請。2005年12月2日には、民主党・府民連合の中島則明、熊谷哲、北岡ちはるの各議員と懇談しました。
 生協連からは、小林智子会長理事、鎌部千津子理事、坂本茂事務局長、牧野内孝子事務局担当が出席しました。
 2005年11月8日、日本共産党との懇談会を開催しました。松尾孝、新井進、島田敬子、西脇いく子、原田完、加味根史朗の各議員が参加。
 生協連からは、小林智子会長理事、小峰耕二専務理事、坂本茂事務局長、牧野内孝子事務局担当が出席。
 京都生協社会的責任経営推進室・福田昌昭担当も同席しました。

きょうと食の安心・安全意見交換会(第1回)開かれる
 2005年9月15日、府庁内で消費者団体との意見交換会が開催されました。これは、食の安心・安全の確保にかんする府や生産者・事業者の取組みについて、消費者との意見交換をおこなうことにより、消費者の意見を反映させ、相互の意思疎通をはかることを目的にしたもの。
 生協連からは、坂本茂事務局長、牧野内孝子事務局担当が出席しました。年4回の開催予定です。
 意見交換会に参加したのは、京都生活協同組合、NPO法人コンシューマーズ京都、NPO法人京都消費生活有資格者の会、新日本婦人の会京都府本部など。

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