「京都の生協」No.62 2007年4月発行 この号の目次・表紙

探訪

「京都国際マンガミュージアム」
〜博物館と図書館の機能を兼ね備えたマンガの総合文化施設〜

 京都の新しい観光スポットとして多くの注目を集める京都国際マンガミュージアム。日本の「マンガ」が国際的にも高く評価され、国内での再評価もすすみ、国の「知的財産立国」宣言にも後押しされて、昨年11月25日オープンしました。来場者は、若者中心に小中生からお年寄りまで幅広く、また外国からのお客さんも多く、多彩な顔ぶれを見せています。

▲京都国際マンガミュージアム

▲「鳥獣戯画」のレプリカ

▲「マンガの壁」。どれでも自由に読むことができます

▲「マンガを世界異産に」と熱弁をふるうヤッサン

▲中庭は人工芝におおわれています

 京都には最古のマンガといわれる「鳥獣戯画」(高山寺所蔵)があり、日本で唯一マンガ学部をもつ京都精華大学があります。その歴史は30年以上にのぼり、「マンガ」文化の教育・研究をリードしてきました。このマンガミュージアムは、京都市と精華大学の共同事業として設立されました。

 施設は、閉校になった京都市立龍池(たついけ)小学校跡地を活用したもので、約80年前に建てられた校舎は、当時の建築技術の粋を集めた明るくしゃれたつくりで、地下1階、地上3階建て。一部増築され、マンガミュージアムに生まれ変わりました。この地域のコミュニティセンターも兼ねています。

 ここには20万点の資料が収蔵され、うち5万点は「マンガの壁」と呼ばれる廊下に設置された本棚から自由に手にとって読むことができます。1階に少年マンガ、2階に少女マンガ、3階に青年マンガを、作者の50音順にまとめて展示してあります。「マンガの壁」は館長である養老孟司氏の著書『バカの壁』にちなんだそうで、高さが2.3m、全部あわせると140m以上にもなるそうです。地下には書庫があり、「鳥獣戯画」のレプリカ等マンガの歴史を概説する資料が展示されています。2008年までに30万点にする予定だそうです。

 2階にある常設紙芝居小屋・ヤッサンの街頭紙芝居は、平日4回、土日・祝日は6回の口演をしています。1回約30分。小さい子をまじえ、客席とヤッサンとの漫才のような掛け合いが場を盛り上げています。紙芝居も日本で生まれ、はぐくまれてきました。土日・祝日にはマンガ工房やワークショップなどもひらかれています。

 そのほかに、2階にパソコンを使ったデジタルマンガ体験コーナー、龍池歴史記念室、3階にはマンガ研究室、1階入り口近くにミュージアムショップ、隣に喫茶を併設しています。「100人の舞妓展」も話題です。2008年には「国際マンガサミット(国際漫画家大会)」が京都市で開催される予定です。



京都国際マンガミュージアム
〒604-0846
京都市中京区烏丸通御池上ル
Tel:075-254-7414(代)
開館時間:10:00〜20:00(入館は19:30まで)
休館日:水曜日(祝日の場合は翌日)、 年末年始(12/27〜1/3)
入館料:[一般]大人500円、中高生300円、小学生100円
交通機関:地下鉄烏丸線・東西線「烏丸御池」駅 2番出口すぐ



〔 ひとつまえにもどる 〕


京都府生活協同組合連合会連合会