「京都の生協」No.61 2007年1月発行 この号の目次・表紙

第14回京都府生協大会
2007・京都・たべるたいせつフォーラム
「食育」と「食の安全」をテーマに開催

2007年11月7日、ハートピア京都(中京区)で、「2007・京都・たべるたいせつフォーラム(第14回京都府生協大会)」を開催。 ことしは「食育」と「食の安全」をテーマに165人が参加しました。

 農林水産省近畿農政局、京都府、JA京都中央会、(社)京のふるさと産品価格流通安定協会、(財)生協総合研究所から後援をいただきました。

開会あいさつをする小林智子会長理事

来賓あいさつをされる
京都府商工部消費生活安全センター
但馬幸伸センター長

「2007・京都・たべるたいせつフォーラム」は、京都府生協連・笠谷敏子理事の司会のもと、小林智子会長理事の開会あいさつではじまり、京都府商工部消費生活安全センター 但馬幸伸センター長より、京都府山田啓二知事のご祝辞をご披露いただきました。

活動報告
食育 〜生協が取り組んでいること


京都生協・常任理事
 斎藤紀子さん
「子どもの食育」
京都生協・常任理事 斎藤紀子さん


 「京都生協のたべるたいせつ」の取り組みのなかから、食育プログラム1「大豆のすべてを知ろう! めざせ、大豆博士!」の紹介がありました。子どもたちが実際に生産地に行き、ワクチン苗や害虫駆除の説明を受け、収穫体験や石臼で挽いたきな粉できな粉あめを作ったことなどが報告されました。

ついで食育プログラム2として、京田辺地域で「夏休みの宿題ゲットだぜ!」をサブテーマに、大豆の学習や「水」が大切であること、環境の問題にもふれた取り組みの報告がありました。2007年度から新しくはじまった小学生とその家族を対象にした通信型食育プログラム「キッズクラブ」の取り組みについても紹介されました。

大学生協 
京滋・奈良地域センター
 中谷志帆さん

「大学生の食育」
大学生協 京滋・奈良地域センター 中谷志帆さん


 朝食を食べない、一日一食、お菓子でエネルギーを補うなど、大学生の食生活の実態が紹介されました。こうした実態をふまえ、大学生協では、カフェテリア方式にして自分が必要と思うものを選べるようにしたこと、レシートでの栄養表示、食生活相談会やお料理教室の開催など、「組合員一人ひとりの食の自立」をめざしていることが報告されました。

また、生産地に行き生産者の話を聞く産地訪問ツアーや、大山乳業訪問研修など「食の安心・安全」の取り組みについても紹介されました。中谷さんは「自分の体は自分が食べたものでできているのだとの意識をもってもらい、継続した食生活の提案をおこなっている」のが大学生協だとのべられました。


京都生協 
くらしの助け合いの会
 貴島ひろ子さん

「高齢者の食育」
京都生協 くらしの助け合いの会 貴島ひろ子さん


 京都生協くらしの助け合いの会は、高齢者への配食活動の取り組みについて報告しました。1989年に第1回左京お食事会が始まり、最初の配食は90年1月から。93年には月3回の配食と月1回のお食事会をしていることから、日生協より「ゴールドプラン」のモデル地域に指定され、保健所の指導のもと、日生協からの補助もあり調理室を改装し、エリアの拡大をしました。96年には月4回の配食になり、2000年からはさらにエリアも拡大、現在は毎回110食をこえる利用があります。貴島さんは「食を守るのは生協活動の原点であり、使命だ」とのべられ、配食をつづけていくために生協の組合員、大学生協など生協のネットワークづくりを発展させたいと抱負を語りました。

 配食活動をとおして、助け合いの会員にとっても、援助をうける側にとっても、広い意味での「食育」の機会となっていることが報告されました。


落語
桂福車「食の法則」〜会場は笑いの連続


 フォーラム後半は、社会派落語では上方落語界きっての実力者である桂福車さんによる落語で、演題は「食の法則」。ストーリーは「脱サラして弁当屋をはじめた山田太郎。開店直後は千客万来だったが、安全無視・添加物いっぱいの食材使用が知れ、客足はパッタリ。このままでは倒産必至。はたして起死回生策は……」というもの。

 食品表示の偽装があいつぎ、食にたいする消費者の不信が高まっているなか、食品添加物やその表示にかんする問題点が笑いのなかに巧みに盛り込まれた内容でした。参加者からは「楽しみの落語。すっかり夢中できき、よく添加物のことを研究されているのを面白い中で勉強になってよかった」「たくさんの笑いが固い話の中で光りました」「すごくよかったです。笑いながら悲しい日本の食現状を考えてしまいました」などの声がありました。食について考えるよい機会となったことへの高い評価があったことがうかがえます。
  講演後、たくさんの方から質問が出され、関心の高さをうかがわせました。



桂 福車さん


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京都府生活協同組合連合会連合会