「京都の生協」No.65 2008年4月発行 |
(9) | 生活協同組合コープ自然派京都 坂本真有美理事長と柴垣千春専務理事をたずねて "コープ自然派"のよさを組合員に伝えていきたい |
昨年9月、生活協同組合コープ自然派京都が誕生しました。京都府生協連・日本生協連にも加入し、組合員も徐々にふえています。 今回は、設立間もない生協コープ自然派京都の坂本真有美理事長と柴垣千春専務理事を、京都府生協連の小林智子会長理事が八幡市の事務所にたずねました。お二人から設立にいたるお話をはじめ、事業のこと、これからの抱負などについてうかがいました。 |
柴垣千春専務理事 |
坂本真有美理事長 |
小林智子会長理事 |
組合員になったきっかけ |
小林: | どんなきっかけで生協コープ自然派の組合員になられたのですか? |
坂本: | 7〜8年前、枚方市(大阪府)に住んでいたときに、友人から紹介されて。その後、京都府京田辺市に引っ越しました。 |
小林: | それで京都にも生協がほしいと? |
坂本: | 関西の多くのコープ自然派は、よつ葉牛乳関西協同購入会が中心になって設立してきました。四国の4つの生協といっしょに、2002年にコープ自然派事業連合をつくりました。古くからの組合員さんが引っ越しをされたりして、コープ自然派が近畿各府県に広がっていくようになりました。京都の県境ぎりぎりまでコープ自然派の商品の配達が来るようになり、京都にもコープ自然派の生協をつくろうということになったのです。2006年10月に準備会を立ち上げました。 |
小林: | そこで代表になられたんですか? |
坂本: | 準備会には発起人が必要ということで、子どもの成長とともに少し時間に余裕もできたので引き受けました。そのうち、設立されてから生協の理事長になってしまいました (笑)。 |
生協コープ自然派京都の設立 |
小林: | 設立はいつですか? |
柴垣: | 昨年9月6日に京都府の認可がおり、事業は10月1日よりスタートしました。コープ自然派の生協としては8番目です。コープ自然派事業連合は大阪市西区にあります。 |
小林: | 京都生協は今年で44年になります。わたしが組合員になったころは、組合員数約10万の生協でした。一からつくっていくというのはわたしにとっては想像がつきません。 |
柴垣: | わたしにとっても立ち上げははじめてでした。それまではコープ自然派ピュア大阪北センターで業務中心の仕事をしていて、職員理事になってすぐのことでした。 |
小林: | 職員理事? 理事会に職員の参加があるのですか? |
柴垣: | 理事会の経営的な判断に応えるために、業務に精通している職員が理事会に入り、経営に参画するもので、職員に執行権限を与える位置づけです。現在大阪では2人いますが、京都では考えていません。 |
小林: | 準備のスタートは? |
柴垣: | まず生協設立に賛同してくださる方をふやすために、コープ自然派ピュア大阪から支援にきてもらいました。伏見区に事務所を借り、求人募集をし、職員1人、配達アルバイト1人、営業3人で出発しました。生協設立に賛同してくださる方が700人を超えたころに、ここ八幡市上津屋尼ケ池に事務所(センター)を移しました。昨年の3月ごろです。 |
小林: | ちょうど1年ですね。いま組合員は何人ですか? |
柴垣: | 1400人になりました。配達が遅れては組合員さんに迷惑がかかりますので、配送のみ事業連合の子会社・リンクスへ委託しています。管理体制をふくめてしっかりやっていきたいと思っています。 |
カタログを囲んで話がはずみました |
大事にしたいことは? |
小林: | コープ自然派の商品政策で大事にしていることはなんですか? |
柴垣: | ひとつは「国産派宣言」。低下する食料自給率を上げたい。そのためにも家畜のえさもふくめて「国産」ということを支援していきたいと思っています。もうひとつは「環境循環型農業」。田んぼの生きもの調査なども組合員参加でやりたいと思っています。 |
小林: | たしかに自給率の低下はなんとかしたいですね。国産を大事にしながら、不足分は輸入に頼っているという現実もあります。 |
坂本: | たしかに、すべての商品を国産100%でというのは現実には無理があります。そのために、情報開示をしっかりしています。カタログは文字が多いといわれますけど(笑)。 |
小林: | 商品にたいして組合員からはどんな要望がありますか? |
柴垣: | お肉は300g単位の冷凍が中心のお届けなので、肉のお届け方法についての要望が多いですね。バラ凍結の肉がほしいというのもあります。ほかに価格が高いというのもありますが、その分は「おいしさと安心」といってます(笑)。 |
これからの抱負は? |
小林: | これからの抱負は? 事業の面ではいかがですか? |
柴垣: | 配達先では、まだまだ未熟な部分もあり、組合員さんから「がんばりや」と励まされることもあります。個々人の対応をしっかりして組合員さんと向き合えるように育てていきたい。また組合員とは地域密着でいっしょにかかわっていきたいと思っています。 |
小林: | 組合員活動としてはいかがですか? |
坂本: | まだまだできていないのですが、組合員自身がこんなことをやりたいということを理事会でサポートしていきたいです。また、生協でもいろいろなあり方があっていいと思い、大きな生協のよさ、小さい生協としてのコープ自然派のよさ、それぞれが活かされていくといいと思います。 |
小林: | 京都府内には、実際に活動を大きくすすめている地域生協として、京都生協とエル・コープ生協と生協コープ自然派京都があり、3つの生協がそれぞれ特徴をもっています。おたがいの共通する部分と違う部分、それぞれを大切にして、大学生協や医療生協などとの連帯も大切にしながら、府内における生協活動がゆたかに発展していければと思います。 これからもごいっしょにがんばっていきましょう。 |
生活協同組合コープ自然派京都 食の安全への志を同じくする関西・四国の7生活協同組合とともに、環境にもひとにも優しい商品を基本とした共同購入事業をすすめています。また日本の農業・漁業・畜産業・林業を育て、昔からの伝統技術や製法を大切に守り抜くことを柱として活動しています。 |
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