「京都の生協」No.68 2009年4月発行 この号の目次・表紙

(11) 龍谷大学生協 野間圭介理事長を訪ねて

大学や地域の良好な関係を保つことで
大学生協の未来が見えてくる

龍谷大学は、浄土真宗西本願寺に設けられた「学寮」を起源とする大学です。明治時代の建物(重要文化財)が現役で活躍する大宮キャンパス、深草キャンパス、瀬田キャンパスがあり、今年370周年をむかえます。建学の精神である浄土真宗・親鸞聖人の教えを体現しながら、人間、そしてすべての「いのち」が平等に生かされる「共生(ともいき)」をめざした教育の場となっています。深草キャンパス内の龍谷大学生協本部を訪ね、野間圭介理事長と粟飯原利弘専務理事からお話をうかがいました。

理事長に就任して4年
小林:  理事長にご就任されたのは、どのようなきっかけからだったのでしょうか?
野間圭介理事長
野間:  理事長になってから、今年でまる4年になるのですが、それまでは生協とはほとんどかかわりがなかったのです。
  それが2005年に突然、前理事長から「理事長に就任してほしい」というお話があって、断り切れないままに理事長になってしまいました(笑)。


龍大のおおらかで懐の深い校風

小林智子会長理事
小林:  龍谷大の学生の特徴というものはありますか?
野間:  一般に「龍大の学生はおとなしい」といわれるのですが、そうではなくて、むしろ「平和」や「共生(ともいき)」などの建学の精神が生かされ、心根のやさしい学生が少なくないと考えています。国際文化学部などでは、外国人の教員もいますが、浄土真宗をどう思うか、といったことも聞かれることはありません。おおらかで懐の深いところが、龍谷大学の校風だと思っています。
小林:  今年は龍谷大学が創立されて、370年を迎えるとうかがいました。生協でも、なにか企画を考えておられますか。
野間:  そうなんです。龍谷大学としても創立370年という節目を迎える大切な年になります。生協としても、大学とのコラボ企画を実施していきたいと考えています。「平和」や「共生(ともいき)」という建学の精神は、生協理念と重なりあうキーワードですので、それにまつわる企画をと思っているところです。記念ブックカバーなど、370年オリジナル商品を開発するなど、10月のピークにむけてすすめていく予定です。

新入生サポートの取り組み
小林:  新入生サポートのノボリを見かけましたが、どんな取り組みをされているのでしょうか?
野間:  じつは、入学前から、つまり受験のときから、サポート活動に取り組んでいます。「受験生の宿泊相談活動(宿泊先で、先輩が受験会場への交通機関等のアドバイスをするなど)」をしています。
小林:  生協はただモノを売っているところではなくて、新入生に親身になって相談にのってくれるんですね。
野間:  新生活準備サポートの住宅あっせんでも、先輩学生の経験を生かして交通の利便性などもアドバイスしています。新入生が、安心して新生活をおくれるようにと考えているのです。飲酒をともなわない新入生歓迎パーティーの企画もしています(笑)。

「サラダ1品37円」だけの利用も
小林:  「今どきの学生だなぁ」と思われることはありますか?
野間:  生協食堂にあるサラダバーで、1品37円だけ利用という学生がいて驚きました。ダイエット志向が強いのでしょうか。
 最近の学生はまじめに授業に出るので、昼休みの40分間に学食が混雑します。改善策として、食堂の出食スピードを早くするなどしています。小さい頃から「個食」になれ、席をゆずってくれないという傾向もあります。混雑をさけて、ショップでパンやおにぎりを購入して昼食をすます学生も増えていますね。
小林:  食事バランスとしては心配ですね。
野間:  はい。弁当は、バランスのよい内容になるよう工夫しています。大宮キャンパスでは、社会人学生の要望にこたえて営業時間を延長し、「おかあさんメニュー」などで夕食の充実もはかっています。このことで供給がふえました。

生協経営の課題は・・・・・・
小林:  龍大生協の場合は、キャンパスが3つ、建物もいくつもに分かれていますね。経営効率という点から考えると、むずかしいことが多いのではないでしょうか?
粟飯原利弘専務理事
粟飯原:  たしかに、食堂だけでも9カ所あり、近年、利用率・単価ともに下がっていますから、部門として苦しい状況です。ショップ部門は黒字ですが、こんご「コンビニの便利さとスーパーとの価格対抗をめざす必要性」から考えて、ショップ部門の黒字で食堂部門を支えるというのもむずかしいです。大規模食堂で補填し、食堂部門単体として、プラスマイナスゼロをめざしています。

大学・地域と生協との良好な関係づくり
小林:  大学生協固有のご苦労というのがありますよね。
野間:  ええ、大学生協はどこも同じような状況をかかえていると思います。龍谷大生協の場合は、粟飯原専務が大学や地域との関係を密にしてくださっていて、これが経営面でもプラスになっています。新しい分野の事業も広がっています。
  たとえば、アメリカンフットボールや女子柔道など体育系クラブの「特別食提供」や、「英語検定の業務委託」を受けるなどです。授業でも取り扱った「フェアトレード・コーヒー」を供給したりしています。地域との交流の場面にも、ひきつづき生協がかかわれたらと考えています。
小林:  大学や地域との関係を良好に保つことが未来につながっていくのですね。まさに、「共生」を実践するような取り組みですね。こういった取り組みが、もっともっと広がるといいですね。
 本日は、おいそがしいところをどうもありがとうございました。

左から、「龍大キューピー」、親鸞上人の好物であった塩味小豆風味の「龍大飴」、
蔵元とのコラボによるお酒の「龍」



※フェアトレード(公平貿易)は、発展途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することを通じ、立場の弱い途上国の生産者や労働者の生活改善と自立をめざす運動。

※レンガ色に統一された建物と、塵ひとつ落ちていないところが印象的な、おだやかで美しいキャンパスでした。4月からは、キャンパス内を禁煙にするという取り組みもはじまります。


龍谷大学生活協同組合

代 表 者/理事長:野間 圭介 専務理事:粟飯原 利弘
所 在 地/京都市伏見区深草塚本町67
TEL/075-642-0213
組合員数/1万9,601人(08年12月末現在)
事業高/21億352万円(08年度)
設立年月日/1966年5月10日

ホームページ
http://www.ryukoku-coop.com/

龍谷大学は、2009年創立370周年を迎えます。組合員や大学関係者と力を合わせて大学生活の向上、地域との連携、環境保護などの活動を推進しています。

京都府生活協同組合連合会 19会員生協
<地域生協> ・京都生活協同組合
・生活協同組合生活クラブ京都エル・コープ
・生活協同組合コープ自然派京都
<大学生協> ・京都大学生活協同組合
・同志社生活協同組合
・立命館生活協同組合
・龍谷大学生活協同組合
・京都府立医科大学・府立大学生活協同組合
・京都工芸繊維大学生活協同組合
・京都教育大学生活協同組合
・京都橘学園生活協同組合
・池坊学園生活協同組合
・京都経済短期大学生活協同組合
・大学生協京都事業連合
<職域生協> ・京都府庁生活協同組合
<医療生協> ・京都医療生活協同組合
・乙訓医療生活協同組合
・やましろ健康医療生活協同組合
<共済生協> ・全京都勤労者共済生活協同組合

〔 ひとつまえにもどる 〕


京都府生活協同組合連合会連合会