「京都の生協」No.74 2011年4月発行 今号の目次

  「きょうと食の安心・安全フォーラム」を開催
「知って安心・食べて納得~みんなで築く『食の信頼』~」をテーマに

 1月28日(金)、京都府庁職員福利厚生センターで、開催されました。
 主催は、きょうと食の安心・安全フォーラム実行委員会(京都府・京都府農業協同組合中央会・(社)京都府食品産業協会・NPO法人コンシューマーズ京都・京都府生協連)。開催されるのは今年で4回目で、府民約130人が参加しました。
 コンシューマーズ京都・あざみ祥子理事が司会を担当。(社)京都府食品産業協会・人羅賢司理事の開会あいさつにつづき、京都府農林水産部食の安心・安全推進課・片岡光信理事が「京都府における食の安心・安全の新たな取組み」について、同・野村英明副課長が「きょうと信頼食品登録制度及び京ブランド産品」について、報告しました。
 「きょうと信頼食品登録制度」登録事業者と「京ブランド産品」生産者の計8人による安心・安全の取組みの紹介をうけて、試食と意見交換がおこなわれました。京都府生協連・小林智子会長理事が閉会のあいさつをしました。
 京都府生協連からは、廣瀬佳代常任理事、坂本茂事務局長、川端浩子事務局担当、岡本朋子事務局担当が参加しました。


京都府農林水産部食の安心・安全推進課・片岡光信理事


  平成22年度第2回食の安心・安全意見交換会

 2月25日(金)、京都府庁職員福利厚生センターで、平成23年度食品衛生監 視指導計画策定をテーマにした意見交換会が開催されました。
 平成23年度京都府食品衛生監視指導計画の策定にあたり、京都府の食品衛生についての施策を紹介するとともに、計画に府民の意見を反映させるためにもたれたもの。
 京都府健康福祉部生活衛生課・松井章課長の開会あいさつにつづいて、同課食品衛生担当・入江祐子副主査が「ふぐの取扱いに関する条例の改正について」、千葉正広副課長が「平成23年度京都府食品衛生監視指導計画(案)について」を説明しました。
 京都府連合婦人会、新日本婦人の会京都府本部、NPO法人コンシューマーズ京都、京都府生協連など11 人が参加。京都府生協連からは坂本茂事務局長、川端浩子事務局担当が出席しました。
 昨年度計画との変更点の比較表をつくるなど、府民にわかりやすい内容となるよう、要望しました。


京都府健康福祉部生活衛生課・松井章課長


  第2回日本生協連関西地連 食品安全推進会議

 2010年12月15日(水)、コープきんき・大阪いずみ市民生協商品検査センター「コープ・ラボ」で、開催されました。
 「コープ・ラボ」は、コープきんき事業連合・大阪いずみ市民生協が共同で2010年7月に開設した商品検査センター。施設見学ののち、「衛生学習(きれいに手洗いできたかな!?)」と「食生活学習(自分の味覚を試してみよう!)」の体験学習をしました。
 ついで、日本生協連組合員活動部・片野緑さんが「生協のリスクコミュニケーションの充実強化について」のテーマで報告。大阪いずみ市民生協品質管理部「声」実現グループリーダー・信原正和さんが「大阪いずみ市民生協『声』の実現グループの取り組み」を実践報告しました。
 京都府生協連からは小林智子会長理事、坂本茂事務局長、川端浩子事務局担当が出席しました。


自分の味覚を試してみよう!


京都市食の安全安心推進計画(仮称)案についての意見を1月27日に提出しました。おもな内容は以下のとおり。

(1) 目標値の設定がなければ、進捗状況についての認識評価をすることができず、執行管理が不明確な計画となります。標記計画案で目標値が設定されている項目が37、うち現状値との比較がおこなわれているのが28ありますが、現在と5年後の数値がまったく同じであるものが10、5%以下の改善にとどまっているものが6と、過半が現状値とあまり変わらない目標値となっています。以下、略。
(2) 目標値の設定については、「手段」の一部をもって目標値としている箇所(生産者に対する農薬の適正使用の指導)や、内容が抽象的で目標値が具体的に設定されていない箇所(大学生に対する食の安全安心情報の発信頻度の適正使用の指導)があります。
(3) 一方、「京(みやこ)・食の安全衛生管理認証」取得施設数は、平成21年度55施設が5年で新規250施設となっており、この間の取得状況を数倍する設定で、その根拠がどのように考えられているのか、明記がありません。
(4) 「京都らしい」食の安全安心の取組の要素のひとつとして、「大学のまち、学生のまち」の特色を活かしてとのべられていますが、上記(2)に指摘した抽象性があり、また「学祭」の機会を取り上げての啓発など局所的な提案となっていると思われます。本業である教育・研究のなかでの食の安全安心の取組を検討することや、学内で日常的な食を担っている大学生協との提携などが視野に入っていません。
(5) もうひとつの「京都らしい」取組の要素とされている「京の食文化の継承」、とくに観光旅行者への食の安全安心の取組については、具体的な施策提案・目標値の設定がありません。以下、略。
(6)
(7) 全体として、5年後の本市における食の安全安心行政および市民生活、食品関連事業者の取組等が、どのような姿になっているのか、そのありたい姿が計画案からは浮かび上がっていないと思われます。

 京都府食育推進計画の骨子(案)についての意見を1月12日に提出しました。おもな内容は以下のとおり。

(1) 「骨子案」は「それぞれの主体の役割を明確にしながら、引き続き府民のみんなで食育を推進する」ため、「京都府における食育推進の方向性と、その取組の全体像を示」すと、本計画策定の意義・位置づけを端的にのべていますが、このことは重要であり、支持します。
(2) 「基本理念」として、「誕生前から始める」「五感を使った体験」「食文化の伝承」の3つの視点がのべられていることは重要であり、支持します。とくに「『いただきます。』の意味を誰もが理解し、感謝して、命と食を大切にしなければなりません」とのべ、「命と食の大切さを理解するために」「五感を使った体験を重視します」としていること、および「京都の食文化を次の世代に伝えていきます」としていることは、当会の食育活動の目的や実践結果からの教訓とまったく同一であり、おおいに共感しております。
(3) 「京都府の食育の取組状況」「食育をめぐる現状の課題」「取組の基本的な方向」の部分は、いずれも簡潔にのべられており、食育活動の推進に役立つものとして、支持できます。
(4) 「施策の展開」の部分では、「世代に応じた食育の推進」という視点が最初に出ていることは重要であり、支持します。「子どもは命と食の大切さを理解するための体験が不足」。「学生等は知識と技術が不足しているために食が貧しい状況にあ」る、「高齢者では新鮮な食料の入手が困難な状況、買物弱者が発生する」など、指摘されている現在の食生活状況については、当会の活動実践からも同感できるものです。
(5) 「施策推進のための関係者の役割とライフステージにおける留意事項」の部分においては、食品関連事業者・活動グループ(NPO等)の役割もふれられています。当会および会員生協の食育実践のなかでえられた教訓等について行政・学校・他団体等に伝えていき、京都府内において豊かな食育活動が展開されるようにつとめていきたいと考えております。
(6) もう少し強調していただいたらどうかという点がひとつあります。「参考」の部分でふれられている「京都府食の安心・安全行動計画」のなかでは「食の安心・安全に関する理解を『食育活動』をつうじて深めていく」という視点が出ていますが、さらに食育の課題を食の安心・安全の課題の「土台を形成するもの」としてラディカル(積極的・根源的)にとらえていくことが重要ではないかと考えています。そして食文化継承の課題も、食の安心・安全の課題と切り離さない視点を保持して、さまざまな実践を積み重ねていくことが必要ではないかと考えています。ご検討願えれば幸いです。

 平成23年度京都市食品衛生監視指導計画案についての意見を1月27日に提出しました。

 平成23年度京都府食品衛生監視指導計画案についての意見を3月9日に提出しました。