「京都の生協」No.78 2012年8月発行 今号の目次

  2012年国際協同組合デー 第23回京都集会
~2012国際協同組合年を記念して・PartⅡ」をテーマに開催~


2012年は国際協同組合年です――「協同組合がよりよい社会を築きます」

 7月12日(木)、キャンパスプラザ京都を会場に、「2012年国際協同組合デー第23回京都集会」が開催され、JA、森連、JF、生協から205人が参加しました。
  国際協同組合デーは、毎年7月第1土曜日を、全世界の協同組合員が心をひとつにして、協同組合運動の発展を願い、平和とよりよい生活を築くために、運動の前進を誓い合う日として、1922年に制定されたもの。
  京都では毎年、京都府協同組合連絡協議会(構成/京都府農業協同組合中央会・京都府森林組合連合会・京都府漁業協同組合連合会・京都府生活協同組合連合会)の主催で、記念集会を開催しています。
 ことしは昨年開催のPartⅠにつづき、「2012国際協同組合年を記念して・PartⅡ」をテーマに、協同組合の原点と取組みについて講演と報告がありました。
 京都府漁業協同組合連合会総務部・花﨑元裕係長が司会を担当。京都府生活協同組合連合会・上掛利博会長理事が開会あいさつをしました。
 つづいて、「賀川豊彦たちの活動から問いかけるもの」と題して、賀川記念館・賀川督明館長にご講演をいただきました。
  参加者からは「協同組合設立の原点を学びました」「あらためて協同組合を見直す機会になりました」「住宅協同組合、エネルギー協同組合の提起はすばらしい」など多くの感想がよせられました。
 各協同組合からは「協同組合の若き担い手が語る」と題した活動報告がありました。参加者からは「4つの協同組合からの若い担い手の奮闘は心づよい」「前向きにがんばっておられる姿に勇気をもらいました」などの意見がありました。
 さいごに、京都府農業協同組合中央会・中川泰宏会長が「東日本大震災により、絆が大切なことをみんなが再認識した。よりよい社会のために4つの協同組合が連携し、取り組んでいきましょう」と閉会のあいさつをのべました。


京都府生活協同組合連合会・
上掛利博会長理事が開会あいさつ

京都府農業協同組合中央会・
中川泰宏会長が閉会あいさつ

 2012国際協同組合年―賀川豊彦たちの活動から問いかけるもの―
 賀川記念館 賀川 督明 館長

 国連が定めた国際協同組合年のテーマには「協同組合を紹介しよう」「協同組合を新しく設立しよう」「協同組合を大切にしよう」という全世界共通のテーマ以外に、日本の実行委員会が新しく加えた「東日本を支えよう」というテーマがあります。国連のミレニアム目標はアフリカの国ぐにをターゲットにしています。テーマは貧困です。
 賀川豊彦たちの活動も同じく貧困への取組みでした。
 大正から戦争までの時代の賀川豊彦たちの取組みを協同組合運動のver.1とするなら、ver.2は戦後から現在までの唯物主義との競争です。そしてver.3となるこれからは、心の貧困などの見えない貧困がテーマになると思います。
 「くらしとは何か」という問題は、たいへんむずかしいテーマです。カテゴライズ(領域を細分化して把握する)だけでなく、「総合性」という視点から把握する必要があるのではないかと思います。豊かな生活とは、他者とともに生きるくらしであり、生きる工夫をするくらしです。わたしは、住宅協同組合とエネルギー協同組合の設立がこんご大切になると考えています。
 「一人は万人のために、万人は一人のために」は、協同組合運動のなかで、わたしたちがずっと使ってきたフレーズです。「わたし自身が志をもって、みんなのために何ができるだろうか」と考えることで、ほとんどの人たちが一生懸命に考えます。これは「プラスのシェア」です。
 一方、「万人は一人のために」というのは、「マイナスのシェア」です。「万人は一人のために」の「一人」は、痛みをもっています。痛みをもっているからこそ、万人の寄りそいが必要なのだと思います。
  東日本の人びとと寄りそい、痛みをシェアしながら共に生きていくことが大切だと感じます。


賀川記念館・賀川督明館長

 協同組合の若き担い手が語る
 JA・JF・森林組合・生協より活動報告がありました



「京野菜と私の根ット・ワーク」
JA京都市青壮年部山科南部支部
渡邉 幸浩

「『ようなったわぁ』を励みに」
山城町森林組合
高地 大樹

「『一日漁師体験』
(参加型海業推進事業)に取り組んで」

京都府漁業協同組合
松尾 省二

「組合員に伝えるということ」

京都生活協同組合洛南支部
石津 麻由