「京都の生協」No.79 2013年1月発行 今号の目次

  2012年国際協同組合年記念事業
大学生協寄付講座「協同組合論」開講

 国際協同組合年を記念する大学生協の取組みのひとつとして、2012年8月28日(火)~9月1日(土)、キャンパスプラザ京都で開講されました。全国大学生活協同組合連合会と大学生活協同組合京滋・奈良ブロックによる企画と寄付によって実現したものです。
 同志社大学商学部の協力を得て、コンソーシアム京都の私立大学間学際科目・単位互換授業として位置づけられ、同志社大学商学部・麻生潤准教授、同・言語文化研究センター・名和又介教授が担当教員をつとめました。
 京都の生協・JA・漁連・森林組合のほか、医療生協、労働金庫、コープこうべなどから、多彩なメンバーが講師をつとめ、各種の協同組合の活動・事業を紹介しました。
 登録受講者は110人で、講義には毎回レポート提出が義務づけられました。レポートからも、各受講生が熱心に講義に耳をかたむけ、認識をふかめたことがうかがえました。未来をになう若い世代に協同組合の社会的認知を広げることに貢献しました。


夏季集中講義として15講

 小林智子さん(京都府生協連前会長理事)が第5講を担当

 テーマ名は「女性の生き方と生協~私の個人史から見た生協の過去・現在・未来~」。京都の生協活動の歴史を自分の生き方とからめながら、講義をおこないました。
 はじめて小林智子の個人名で京都生活協同組合の組合員になったときの喜びや、京都生活協同組合理事長、京都府生活協同組合連合会会長理事に就任したときのことなど、平易な言葉で話されました。
 京都生協で働いている女性職員・武田道子さんをスペシャルゲストとして招き、就職活動時の悩み、生協の仕事をつうじての喜びなどが率直に語られ、受講者の共感をよびました。


左:武田道子さん(京都生協)
右:小林智子さん(京都府生協連前会長理事)

 講義内容は以下のとおりでした。


第1講 「今なぜ協同組合なのか」 濱田康行(全国大学生協共済連会長・札幌国際大学学長)
第2講 「協同組合の歴史」 杉本貴志(関西大学教授)
第3講 「賀川豊彦と協同組合」 賀川督明(賀川記念館館長)
第4講 「協同金融の社会的な役割と課題」 法橋聡(近畿労働金庫地域共生推進部部長)
第5講 「女性の生き方と生協~私の個人史から見た生協の過去・現在・未来~」 小林智子(京都府生活協同組合連合会前会長理事)
第6講 「『愛と協同』の社会再編をめざして~コープこうべ90年の歩み~」 野尻武敏(コープこうべ協同学苑長)
第7講 「JA(農協)の存在意義について」 牧克昌(京都府農業協同組合中央会専務理事)
第8講 「漁業とはどんな産業か~協同組合の役割~」 倉幹夫(京都府漁業協同組合連合会総務部次長)
第9講 「森林と人との共生」 青合幹夫(京都府森林組合連合会代表理事専務)
第10講 「中世に始まった学びの共同体」 川添信介(京都大学生協理事長 京都大学教授)
第11講 「大学生活と大学生協」 佐藤美香(全国大学生協連学生委員長)
第12講 「地域にねざした医療福祉の総合事業」 神山充(南医療生活協同組合総務部人事育成課次長)
第13講 「京都における『さくらこめ卵』の挑戦」 高橋茂雄((株)ナカデケイラン)
第14講 「21世紀の協同組合」 庄司興吉(全国大学生協連会長 東京大学名誉教授)
第15講 「協同組合論を締めくくる」 麻生潤(同志社大学商学部准教授)、名和又介(大学生協京滋・奈良ブロック会長 同志社大学言語文化研究センター教授)