勝手に京都御苑ニュース

2011年06月21日

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京都御苑に猿がいることはご存知でしょうか?場所は京都御所の北東角です。
上の写真、ちょっと見にくいですが…。
横を向いた猿が烏帽子を被り、御幣を持って金網の中に封じ込められています。
この場所を「猿ヶ辻(さるがつじ)」といいますが、ここに猿がいるのはちゃんと訳があるのです。
北東の方向(艮(うしとら)の方角)は悪い鬼が入ってくると信じられ、表鬼門とされてきました。猿は、難が去る(猿)とかけて、鬼門を守る魔除けなのです。
この京都御所にいる猿なのですが、比叡山延暦寺の地主神、日吉大社の使いとされ、れっきとした由緒ある猿なのです。
なぜ金網の中に閉じ込められているのかというと、実はこの猿、夜毎築地塀から抜け出しては悪戯を繰り返していたため、金網で閉じ込めることにしたという話が伝わっています。
さらに、京都御所、猿ヶ辻は、ここだけ築地塀が内側にへこんでいます。
つまり、北東角である鬼門の角を無くし鬼封じをしているのだとか…。

幕末に尊皇攘夷派の姉小路公知が何者かに襲われた「猿が辻の変」はこのあたりで起こった事件だそうです。

いにしえに思いをはせて、犬散歩は続く…。<2011年6月21日 川端 浩子>