国連では1957年より「国際年」を設け、共通の重要テーマについて、各国や世界全体が1年間を通じて、よびかけや対策をおこなうよう取り組んでいます。
2009年12月の総会で、国連は2012年を「国際協同組合年(International Year of Co-operatives=IYC)」とすることを宣言しました。
これは、協同組合がもたらす社会経済的発展への貢献が国際的に認められたあかしで、とくに協同組合が貧困削減・仕事の創出・社会的統合にはたす役割が着目されています。IYCには3つの大きな目的があります。
- 協同組合についての社会的認知度を高める……協同組合の貢献・協同組合の世界的ネットワーク・コミュニティ構築や平和への取組みなどについて知ってもらう。
- 協同組合の設立や発展を促進する。
- 協同組合の設立や発展につながる政策を定めるよう政府や関係機関に働きかける。
これらの目的にむかって、国際的にも国内でもさまざまな取組みがおこなわれます。
国際的には、国連や国際協同組合同盟(ICA)などが中心となり、IYCにむけた計画がすすめられているほか、国内でも全国実行委員会が発足しています。
協同組合憲章づくりがすすんでいます
2012協同組合年全国実行委員会は、「協同組合憲章(仮称)」の策定を重要な取組みのひとつとしています。実行委員会幹事会のもとに「協同組合憲章検討委員会」が設置され、作業がすすめられています。
2011 年7月14 日(木)、第1次案が提出されました。骨子を以下に紹介します。
- 前文(抜粋、以下同じ)
協同組合を今後いっそう発展させるための基本的な理念と原則とを明らかにし、さらに政府にたいして、協同組合全体を貫く協同組合政策の基本的な考え方と方針を明らかにするよう求めるため、ここに協同組合憲章草案を定める。 - 基本理念
- 政府の協同組合政策の基本原則
(1) 協同組合の価値と原則を尊重する。
(2) 協同組合の設立の自由を尊重する。
(3) 協同組合の自治と自立を尊重する。
(4) 協同組合が地域社会の持続的発展に貢献することを重視する。
(5) 協同組合を、社会経済システムの有力な構成要素として位置付ける。 - 政府の協同組合政策の行動指針
(1) 協同組合が地域の社会的・経済的課題の解決に取り組むさい、その活動を支援する。
(2) 地域のニーズに即した新たな協同組合の設立を支援する。
(3) 地域社会の活性化を図るために、協同組合など地域社会に根ざす諸組織を支援する。
(4) 協同組合に関する教育・研究を支援する。
(5) 協同組合の国際的な活動を支援する。
(6) 協同組合に関する統一的な行政窓口を確立する。
(7) 協同組合の制度的枠組みを整備する。
(8) 協同組合における定款自治の強化を支援する。
(9) 協同組合についての包括的な統計を整備する。
(10) 協同組合の社会的貢献について調査する。